福祉国家を目指す市民の会

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消費税廃止で風が吹かないこれだけの理由

組織で自公に圧倒的に劣る野党が選挙で勝つには無党派層を動かす「風」を起す必要がある。そのためには世間の議論を喚起するような大胆な政策が必要だ。
れいわの「消費税廃止、財源はMMT」というのはまさにそういった大胆な政策と言える。
しかし、現状そよ風程度の風は吹いてはいるが、投票率を7割程度に押し上げるような強い風にはならないだろう。
以下、その理由をあげてみる。

理由の1
10月の消費増税に対する賛否を問う世論調査では圧倒的多数が反対なのかというとそうでもない。
どこのメディアでもだいたい3~4割の賛成の人が居る。
なぜか。
実態は別にして多くの人が消費税=社会保障の財源とイメージしている。
件の報告書のこともあり消費税廃止はむしろ有権者の老後不安をかきたてるだけになりかねない。

理由の2
消費税を廃止しても個人消費は上向かない。
なぜか?1で触れたが消費税を廃止しても将来不安に対する手当が何も無ければ所得が増えても消費よりも貯蓄に向かうだろう。れいわの政策には老後不安を打ち消すような政策が欠けている。

理由の3
消費税には地方消費税というものが含まれている。
地方消費税自治体にとって大きな収入源である。
消費税を廃止すれば当然地方消費税もなくなるわけで、おそらく全国の首長さんから大きな反発を食らうだろう。

理由の4
MMT信者は将来不安も地方の税収も国債発行してばら撒けばいいと反論するかもしれない。
しかし、そうやって円の供給量を増やせば当然円の価値は下がり円安になる。
アホノミクスの異次元緩和による円安は輸出企業の業績と株価を上げたが、輸入物価の高騰は庶民の暮らしを直撃している。れいわの政策は財源の部分がアホノミクスとほぼ同じなのでその弊害も同様に出る。

理由の5
インフレ率2%はリミッターにならない。
れいわは無制限に借金を拡大するのではなくインフレ率2%を達成するまでだと説明している。
マイナス金利まで手を出した黒田の日銀が6年たっても2%のインフレ率を達成できていない。
なぜか。物価は資金の供給量だけで決まるわけではないからだ。原油価格など海外要因で物価が下落した場合、無制限に財政支出を拡大することになりかねない。

理由の6
MMTの主張する通り、自国通貨建てならいくら借金しても財政は破綻しないと言うのは事実だと思うが何も弊害が無いわけではないことは似たような手法で財源を生んできた6年間のアホノミクスが証明している。

山本太郎は「消費税廃止が、野党とこの国に残された唯一の活路である」と主張しているが、さんざん批判してきたアホノミクスと同様の手法で財源を生もうする政策に他の野党が乗れるはずがないのである。

消費税について廃止を訴えるよりも、日本が直ちに財政破たんするような状況ではないことは明らかなのだから、消費税収を借金返済に使わず全額社会保障に回すとか免税点や簡易課税など消費税の問題を解消するとか言った方が有権者の支持は得られると思う。